現在高校に在学中の高校生のなかには、「高校辞めたい」と考えている人もいるはずです。その原因は高校の雰囲気に馴染めないことや友人関係で悩みがあること、高校で勉強することの意味を見いだせないことなど様々ですが、本当に高校を辞めてしまうと今後の人生において高校中退という肩書きが付いて回ります。

高校中退では、就職する際に正社員として雇われることが難しくなり生涯収入が低くなってしまうだけでなく、世間からの無理解による信用の薄さや集団生活の経験不足などによって人生の選択肢が狭くなってしまうことが一般的です。しかし、世の中には高校中退であるにも関わらず自分の夢を実現させ、周囲から尊敬の念を得ている人も数多くいるのです。

日本サッカー界のレジェンドとしてサッカーに興味がない人でも知っているカズこと三浦知良選手は一年生のときに高校を中退しています。

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日本にプロサッカーリーグが存在していない時代でしたが、プロサッカー選手になりたいという夢を持っていたカズは高校中退後単身ブラジルに渡り、地元のサッカークラブに入団して技術を磨きます。何度かの移籍を繰り返し、ブラジルに渡航して4年後には名門クラブの一つであるサントスFCとプロ契約を締結しプロサッカー選手になるという夢を実現させました。その後数年でカズはチームの優勝に大きく貢献するなどブラジルで有数のサッカー選手になり、日本に復帰後も活躍を続けJリーグ開幕と同時にスーパースターへの道を駆け上がったのです。日本代表としてもチームを引っ張り、日本にサッカーを浸透させる牽引役になりました。

サッカー選手としての実力だけでなく、ファンサービスに熱心で後輩の面倒も積極的に見る人柄や重みのある発言などによってサッカー関係者以外からも尊敬されています。

2016年に49歳になったカズはJ2の横浜FCで現役を続け、Jリーグ最年長得点記録を更新し続けています。高校中退でも自らの努力によって夢を実現した好例だと言えます。

アイドルだけにとどまらず司会者や役者、そしてミュージシャンとして芸能界でマルチな活躍を見せているのが国分太一です。

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国分太一も高校中退で、その理由はイジメによるものでした。高校に進学した時点で既に芸能活動を始めていた国分太一は、芸能生活と高校生活を両立させようと努力していました。しかし、芸能人としての華やかな雰囲気を持つ国分太一に対して嫉妬ややっかみの感情を持った同級生によって、嫌がらせやいじめを受けてしまったのです。

このままでは芸能生活に支障が出るだけでなく精神的にも消耗すると考えた国分太一は高校中退を決断しました。高校生活を満喫することは出来ませんでしたが、芸能人として成功した国分太一はアイドルからミュージシャン、俳優、そして司会者と活躍の場を広げています。

近年は司会者としての仕事が目立ちますが、司会者は機転の良さや場の空気を読む能力、さらにはコメンテーターをはじめとする出演者から発言を引き出すコミュニケーション能力が必要とされます。こういった力は高校での勉強によって身に付くものではありません。さらに、グルメレポートでは豊富な語彙力で料理のおいしさを表現しています。社会人として必要な能力は学歴に由来するものではないことを証明しています。

テレビに出演するようなスポーツ選手や芸能人でなくとも、高校を中退して自分のやりたい仕事をしている有名人がいます。

小説家の下村敦史は、高校中退後にフリーターとなり、時間を見つけて小説を書き続けていました。高校を中退してから15年後に推理小説の有名な文学賞である江戸川乱歩賞を受賞して小説家デビューを飾ったという苦労人です。(参考リンク:本人インタビュー毎日新聞「嗜好と文化」第45回

フリーター時代は実家に住み続け、祖父母の介護をしながら仕事をして小説を書くという生活を送っていたのです。

2006年から毎年江戸川乱歩賞に応募し続け、8回連続で落選するという屈辱も味わっています。それでも小説を書くことを止めず、両親や弟、幼なじみの友人などに応募作品を読んでもらい感想やアドバイスを聞いて修正するという努力を続けていました。そして、9回目の挑戦で受賞するという快挙を成し遂げたのです。受賞後は専業の小説家として約半年に一冊というハイペースで単行本を刊行しています。下村敦史も高校を中退して自分ならではの仕事を見つけ、有名人となったのです。

こういった高校中退であるにも関わらず人生を謳歌している有名人たちは、怠惰や不真面目といった理由で高校を辞めたわけではなく、自分の夢や目標を実現するための選択肢として高校中退の道を選んだのです。そして、高校中退後も努力を続けて自分の実力を高め、その実力を証明し続けてきたからこそ有名人として活躍できるようになりました。

もし「高校辞めたい」と考えている場合は、夢を実現させた有名人たちと同じように、それが前向きな姿勢であるゆえの選択だと、成功する確率も高いと思います。